【熊野町の家】
古民家再生した熊野町の家の内覧会を開催します。
次世代省エネ基準の断熱改修と限界耐力計算による耐震改修を同時に行い、築150年以上の茅葺古民家を再生しています。
空き家となった古民家を次世代へつなぐための改修で、工期1年ほどかかりましたが、無事完成を迎えました。
ご希望の方はメッセージ等でご連絡ください。
詳しい住所と案内図をお送りします。
【熊野町の家】
天井に杉板張りました。
ベンガラ塗りの丸太と杉の赤身のコントラスト。
杉板は経年美化で飴色に変化していきます。
【熊野町の家】
増築部分を撤去し、隅木入れ替えから、野地板張り、瓦葺き、銅葺きと修復しました。
銅が緑青色になるまで、10年以上かかりますが、半年ほどで色は落ち着きます。
屋根の部分修復は難しい工事ですが、うまく出来ました。大工、瓦屋、板金屋の合わせ技です。
【熊野町の家】
建物の傾きを修正しました。大黒柱を基準に2cmほどをジャッキ3台で直しました。
この建物はレベルの修正は以前の工事でしてあるようなので、今回は傾き修正のみでした。
この後、仮筋交いを取付て、荒壁パネルを使った耐力壁で建物を固めていきます。
【熊野町の家】
古民家の耐震改修のために、「限界耐力計算」による構造計算を行いました。
🔳限界耐力計算とは
古民家は木組や土壁の粘り強さによって地震力に対応します。「限界耐力計算」とは建物の復元力を計算して、変形量である「層間変形角」を求めることです。この「層間変形角」が安全限界以下になるよう耐震補強をします。古民家の耐震補強は、建物の耐震特性に合わせて粘り強くすることが重要で、今回は「荒壁パネル」50枚と「仕口ダンパー」10個を使用します。
構造計算は広島の「イシクラカズヒロ構造アトリエ」へ依頼しました。以下は主な計算結果です。
・地盤は、J-SHIS Mapより第1種地盤
・改修後の目標クライテリアは層間変形角1/30以下
・偏心率X方向0.07、Y方向0.01でRe≦0.15
・層間変形角X方向1/40、Y方向1/39で1/30以下
以上により「極稀地震(震度6強)に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い」という判定結果となります。これはつまり、「安全目標を1/30(階高を3mとすると変形量10㎝)以下に設定して、震度6強の地震が起こっても変形は1/39(変形量7.7㎝)までです。」という意味です。
【熊野町の家】
熊野町にて古民家再生をさせていただくことになり、実測調査に行ってきました。
敷地内に建物が多く、また繰り返し改修や増築が行われていて、裏側部分はかなり複雑な間取りとなっていました。継ぎ足し部分は減築しすっきりさせ、母屋の架構を生かしたプランを提案したいと思います。
合わせて木組みの修繕、耐震改修、温熱改修も行い、快適で丈夫な住まいにします。
3年後の完成を目指します!