邑南町の家

邑南町の家、基本プラン
邑南町の家、基本プラン

 

【越し屋根のある家】

 

島根県邑南町にて新たな住まいづくりが本格始動しました。今回は距離的に遠いこともあり、地元の工務店に施工をお願いし、企画、設計を担当します。これまでは「小木土家」をモデルにした「木と土の家」を設計施工で作ってきましたが、その間いろいろな仕様、納まりを検討して、標準化に取り組んできました。それは、木組みや土壁の住まいに住みたい、作りたいという人に自分の技術やノウハウをできるだけ分かりやすく伝えることができるようにという思いからです。今回は意欲的に取り組んでいただける工務店さんと出会えたことで、設計だけということになるので、これまで培ってきたことをどこまでうまく伝えられるか、自分としても新たな挑戦になります。

 

邑南町とは、関係人口創出事業の「おおなんDIY木の学校」の講師という立場で関わらせていただいてますが、面白い企画やスポットが次々に生まれてきていて、これからの生き方を模索する人たちが集まってきていると感じます。そういった人たちのコミュニティとして「みんなでつくる中国山地百年会議」というものがあり、百年かけて中国山地の活動を記録していきます。この住まいはその事務局にもなるので、新しい住まいづくり、田舎暮らしの形を提案していけたらと思っています。

 

「木と土の家」は伝統構法の木組や土壁を生かしつつ断熱材をプラスすることで、標準で次世代省エネ基準をクリアしています。現在主流の住まいは室内に湿気を閉じ込める防湿型の住まいですが、土壁を使うことで透湿型の住まいづくりができます。日本の気候に合った住まいという意味で「木と土の家」はこれからの日本の住まいのスタンダードになる可能性が十分にあると思っていて、その第一歩として今回の住まいを実現できるようこれから努力していきたいと思います。