ワークショップ「き」組が東京で開催している「木組のデザイン」ゼミナールにて、1コマ講座を担当させていただくことになりました。理論講座「木組の家の実践」ということで、伝統の木組と土壁を活かしつつ、高い省エネ性能を実現した「小木土家」の設計施工手法を中心に、なぜ伝統構法の住まいがこれからの日本に必要なのか、理論・思想を総括し、ここでお話ししたいと思います。
ゼミは17期を迎え、伝統構法の木組を学ぶため全国から建築の実務者の方々が集まっています。日本の木組の特徴は、木の靭性を活かした粘り強い構造形式にあります。大きな地震が起きたときに変形し、エネルギーを吸収、減衰させていく仕組みです。脆性破壊を起こしにくい構造ともいえます。なぜ日本では長い歴史の中でそのような構法にたどり着いたのか、それは自然のチカラに抗うのではなく、命を守ること、つまり生存空間の確保を最優先にした結果だと思います。
大学などでも在来工法を少し教えるくらいで、日本の伝統構法を教えることはほとんどありません。木造をよくわからないまま、設計の実務をこなしている方も多いのではと思います。こういった場でじっくりと日本の木造建築について学んでみてはいかがでしょうか。詳しい内容や申し込みは下記サイトからどうぞ。
一般社団法人ワークショップ「き」組HP 募集「木組のデザイン」ゼミナール第17期